みんなのクレジットが絶望的である理由と、それでも業務再開を期待する理由



関東財務局による金融商品取引業の業務停止処分は終わりの始まりだったのかもしれません。

当初一か月のはずだったみんなのクレジットの業務停止期間は、あれから数か月経過しても未だに再開の兆しは見ええません。

それどころか新たに東京都より貸金業の業務停止処分を受けるなど、次第に状況が悪くなっているように思えます。

客観的に見れば絶望的と言えるかもしれません。しかしながら私はみんなのクレジットに自己資金を580万円ほど投入し、現在もまだ410万円が運用中となっており、未償還金額が約75万円で、合計約485万円ほどがみんクレに残ったままなのです。

いっその事諦めて、万が一お金が戻ってくればラッキーだと思えれば楽な気持になれるのかもしれません。

ですが485万円は私にとって大金であり、なかなか諦めの境地に至ることはできません。少しでも返金して欲しいと思っていますし、できれば無事に全額返還されることを願っています。

そこで私なりに絶望的である根拠と、それでも業務再開に期待する根拠(希望的観測かもしれませんし、気休めにすぎないかもしれませんが)を考えてみることにしました。

絶望的と考える根拠

行政処分勧告から始まり、みんクレの実態が明るみになり、業務停止、その後のみんクレのとった対応、みんクレに起きた出来事等、これらを見るとどうみても今後については絶望的に思えます。

そこで、私なりに絶望的と考える要素を記述してみたいと思います。

業務停止の主たる要因である悪質な経営

金融商品取引業の認可を受けているにもかかわらず、ファンドの融資先が親会社であることを隠し、まるで健全に他社に融資しているかのように見せかけて投資家から資金を集めた上、その資金を額面通り融資することなく代表者の債務の返済に充てていたという、とんでもない悪質な経営。

このことだけでも投資家に対する違法行為ではないかと思いますが、もし投資金額の返済をしなかった場合は完全なる犯罪行為です。

単に融資先が破綻して返済不能になった場合は、投資のリスクとして諦めなければなりません。(もちろんきちんと情報開示していた場合に限りますが)。

また、単に経営がずさんで資金不足に陥って返済不能になった場合は民事で経営責任の追及はできるかもしれませんが、とは言えみんクレに対して直接貸し付けしているわけではなく、ファンドに投資しているに過ぎず、債権者というわけではないので、みんクレに融資している他の債権者が優先的に回収するかもしれません。そうなると投資金額の回収はかなり難しいでしょう。

しかし今回のみんクレの場合は、投資家に虚偽の情報を伝えて資金を集め、その使途も虚偽であった為、明らかに詐欺罪と言えるのではないでしょうか?

そしてもし詐欺罪で告訴された場合、業務再開が絶望的なのは当然ですが、例え裁判になり勝ったとしても、お金のない相手からの返済は事実上不可能です。資産を売却することで一部は戻るかもしれませんが、ほとんど泣き寝入りになってしまうことが予想されます。

業務停止の一因となった逼迫した資金繰り

みんクレの利益や投資家への配当等は、融資先から支払われる利息によってまかなわれるはずですが、みんクレの場合、配当にキャッシュバックを加えると、利息制限法による利率をはるかに超えてしまうファンドがあり、当然のことながらみんクレの利益がなくなるばかりか、諸経費を考えると完全に赤字になるような運用をしていました。

私が不思議に思って、以前みんクレに電話して確かめたら、「融資先から広告費をもらっているから大丈夫だ」と言われたのですが、結局それも嘘でした。

そして明るみになったひどい自転車操業ぶり。

配当やキャッシュバックを支払ったり、償還金額を支払ったりする原資を次のファンドの募集資金でまかなうので、だんだんと募集金額は大きくなり、このような運用を続ければ当然いつかは必ず破綻してしまいます。

破綻する前に業務停止となったことはある意味良かったと言えるかもしれません。

あのまま営業を続けていれば、被害者の数や被害金額は甚大なものになっていたに違いありません。

融資先である元親会社も危ない

みんクレからの7月30日及び8月7日のメールによる通知に、「一部投資家が融資先に対し直接回収行動をした」旨が記載されており、そして「その投資家が法的行動をとった為、融資先の不動産売買決済や融資が一時停止になったことにより、みんクレに弁済ができなくなった」というような事が書かれていました。

このことから、融資先である元親会社のみんクレへの返済の原資が不動産売買決済による代金と新たな別の融資であることが推測できます。

つまり融資先は、融資の返済の為に別の融資を必要としているという事です。

みんクレだけでなく、その融資先も完全なる自転車操業だということです。

融資先である親会社がどれだけの規模の会社で、どれだけの借入金があるのか、財務内容はどうなっているのかはわかりません。

帝国データバンクや東京商工リサーチなどで調べても、ある程度はわかるかもしれませんが、上場企業でさえも粉飾している場合があるのに、創立間もない非上場の会社で、しかも虚偽だらけだったみんクレの元親会社だった会社が真実を公表しているとは思えません。

しかしながら、今回の投資家の法的行動がなかったとしても、このままでは融資先が債務不履行に陥ることは容易に想像できます。

みんクレの代表は辞任しても、融資先である元親会社の代表は辞任せず

投資家から集めたお金を自身の懐に入れていたみんクレの元代表の白石伸生氏。彼のした行為は、業務上横領特別背任罪に該当するのではないでしょうか。さらに投資家に対しては詐欺罪も。

そんな白石氏がみんクレの代表を辞任したのは一見良いことに思えるかもしれませんが、ほとんど唯一といってもいい融資先である元親会社では代表のままです。

そして資本関係を断ったとは言っても、元親会社は融資先であることは変わらない為、みんクレは依然として悪質経営者である白石氏の判断に左右されてしまう状況にあります。

そう考えると、みんクレの将来は悲観的というか絶望的に思えます。

新代表と旧代表は、かつて同じ系列会社を経営し、潰している

白石氏がみんクレを去り、代わって阿藤豊氏が新たに代表に就任しましたが、この阿藤氏は以前白石氏と同じグループ会社の経営をしており、白石氏同様にその会社を潰しています。(白石氏の経歴は省略しますが、私の印象では企業買収と売却、計画倒産を繰り返し、本当の経営はできない人です)

つまり二人は同じ穴の狢なのです。

結局みんクレは代表を交代しようが、親会社と資本関係を断とうが、なんら中身は変わっていないということです。

阿藤氏が本気でみんクレの再建に奔走しているのであればまだ希望はあるのですが、白石氏との関係や過去の経緯を考えると、再建よりも、現在の悪い状況を何とかソフトランディングさせようと二人で画策しているようにしか思えません。

つまりうまく逃げ切ろうとしているのではないかという事です。

そうだとすればやはり絶望的です。

一部投資家の直接行動が、今後別の投資家に連鎖する恐れ

みんクレからの7月30日及び8月7日のメールに、一部投資家が直接回収行動に出た旨の記載がありました。

行動を起こした彼らの心情はわからなくもありません。私も現時点で485万が返ってこない状況にあり、このままみんクレやその元親会社に逃げ切られるかもしれないという不安もあり、その前に財産や収入を抑えて少しでも多く資金を取り返したいという思いもあります。

しかしながら、みんクレの主張が事実だとすると、彼らの行動のせいで、まだ滞っていなかった償還がストップしてしまったということになります。

そしてこれは結果として他の多くの投資家に迷惑又は損害を与えたことになります。

このことにより、償還されなかった別の投資家がまた同様の行動を起こす可能性も考えられます。

このような事態が増えれば、みんクレやその元親会社は事業を立て直すチャンスを失い、当然再建などできるはずもなく、直接行動を起こさなかった投資家が、より多くの損害を被ることになってしまいます。

少なくとも彼らには、配当がストップしたり、未償還金額が積み重なったりしてから行動を起こして欲しかったです。

まだ配当は支払われていますし、その時点では償還も数日遅れることはあってもストップはしていませんでした。それが彼らの行動でストップしたとなると、怒りの矛先は彼らにも向いてしまいます。

また、そのような行動をするなら、他の投資家も参加するよう、何らかの手段で呼びかけがあっても良かったと思います。その事を事前に知る由もなく置き去りにされた他の投資家にとっては、迷惑以外の何ものでもありません。

今後他の投資家が連鎖的に同様の行動を起こした場合、再建を願って我慢強く待っていた投資家や、動きたくても動けない投資家にとっては間違いなく悪夢であり、絶望的な状況になるでしょう。

貸金業についても東京都から業務停止命令受ける

金融商品取引業の業務停止処分に続き、みんクレは8月4日、東京都より貸金業の業務停止処分を受けました。

処分期間が1ヶ月とはいえ、その間は収益を上げる手段を失うことになります。

また、本当に1ヶ月で済むかどうかはわかりません。営業する為の要件を満たす準備のために自主的に業務休止を続けるかもしれません。

そうなれば増々再建は遠のくことになります。

それでも業務再開を期待する根拠

それにしてもみんクレは本当に再建しようとしているのでしょうか。これまでのみんクレの行動を見ていると、再建しようとしているのは単なるポーズにすぎず、うまく逃げ切る為の準備をしているのではないかという疑念をどうしても拭えません。

例え本気で再建の為の努力をしているとしても、客観的に見た状況は絶望するのに十分です。

とは言え、一方ではまだ業務再開を期待する気持ちもあります。例え再開しなくとも、全額償還されれば十分です。

そこで今度は、わずかとはいえ何故業務再開を期待するのかの私なりの根拠を記述したいと思います。

情報開示など、不備を指摘された部分を改善し、再開に向けた努力が見える

みんクレは、関東財務局からの業務停止命令とそれに伴う業務改善命令を受けて、ローンファンドの運用詳細を開示しました。

内容は保全率(貸付金額に対する担保価格の割合)があまりにも低く驚くべきものであり、業務停止命令を受けてから3ヶ月以上かかった事はあまりにも遅すぎですが、何はともあれ、指摘された点を改善し、再開に向けて努力しているように見えます。

また、体制の変更や融資先の資金管理をするなど、配当の支払いや償還に対して備えをしているようにも見えます。

もし再起が無理な状況だったり、あるいは計画倒産を企んでいる場合、わざわざ手間暇かけたり費用をかけたりして改善行動をとるでしょうか?

配当の支払いは続いており、未償還分も支払おうという姿勢を見せている

少なくとも現時点までは配当は支払われています。また期限が到来したファンドの償還に関しても、一部投資家の直接回収行動があるまでは、多少の遅延はあれど支払われていました。また、回収行動後も、一部(第2案件のみ)の償還はされています。

そして未償還分の金額も管理画面にきちんと表示されるようになり(それまでは期限が来た未償還金額の表示はありませんでした)、そのような面でも改善が見られます。

随時、状況を通知している

以前は都合の悪い情報は全て隠したり、ホームページからも削除したり、隠しきれないものはメールで事後報告、配当の支払いや償還の遅延も事後報告という、まるで信用できないやり方をしていました。

業務停止処分を受けた会社が、何の通知もなく配当の支払いや償還の遅延をすれば、投資家には不安や怒りが生じてしまいます。

ですが最近は、事前に、あるいは多少の遅滞はあっても最低限必要な通知はされるようになってきました。

私個人としては、通知の内容や文面に少なくない不満を感じていますが、それでも以前に比べると大分改善したように思います。

問合せに対し、以前と同じように対応している

みんなのクレジットは今のところ、電話での問い合わせに対して以前と同様に対応しているように感じます。

何かわからない事があった場合や、おかしいと感じた場合、私は直接電話で問い合わせる事があるのですが、業務停止処分を受けた後も、受付の担当者は遅滞なく電話に出ますし、質問に対してきちんと回答しています。

これは重要な事です。

危なくなった会社は、電話になかなか出なくなったり、こちらの質問に対して逃げ腰の回答をしたり、あるいは何か怪しいと感じるような対応があったりする事が多いのですが、今のところはそのような兆候は見えませんでした。

もちろん回答してもらった内容が数日後には事実ではない事が判明したりすることもありましたが、それはおそらく、組織の中で下っ端である受付担当者には、上層部が握っている真実等は伝えられず、「何か聞かれたらこのように回答しておけ」とマニュアル的なものを渡されていたのではないかと思いますし、そういう事は危ない会社に限らずよくある事だと思っています。

今後電話応対で何か「おや?」と思うような事があれば、その時はもうアウトだと私は判断するでしょう。

絶望9割、希望1割

客観的に見ればどう考えても絶望的に見えるみんなのクレジットですが、全額償還に対しては1割の希望を持っています。

最終的に業務再開するかどうかはわかりません。倒産するかもしれません。

旧代表の白石氏と現代表の阿藤氏は、今までは経営が立ち行かなくなると潰して逃げたりしていましたが、今回それをすれば間違いなく犯罪者になり、二人は終わりです。

今までは民事で済んだかもしれませんが、今回は逃げたりすれば、内容を考えると刑事事件になるでしょう。

他の債権者から民事訴訟を起こされるかもしれませんが、最低でも全額償還されれば、投資家からの刑事告訴は免れるかもしれません。

民事の問題は金が無ければ返済できないで済むこともありますが、刑事ではそれでは終わらず、刑罰を受けることになります。

そう考えれば、何が何でも償還だけはしようとするはずです。

詐欺罪は決して軽い罪ではありません。

もっとも償還してもしなくても、犯罪行為は変わりませんが、投資家としては被害がなければ訴える必要性もあまりありません。

私としては、白石氏と阿藤氏が犯罪者になりたくない一心で必死にお金を集めて投資家に償還してくれることを願っています。