今まで除湿機の必要性を感じたことはなく、買ったことはなかったのですが、昨年の夏に会社の事務所に大量のカビが発生したため、除湿機を購入することにした理由や、それまでの経緯を書きたいと思います。
留守中の高温多湿がカビの要因に?
私が会社の事務所として使っているマンションの部屋は、一昨年までは従業員がいて毎日使用していたのですが、昨年からは私一人になってしまい、会社の使用が週に1回、少ない時は2週に1回程度になっていました。
事務所を毎日使っていた時は、当然夏の日中にはエアコンを使用していたので、部屋の温度や湿度はある程度抑えられていたお蔭でカビとは無縁でしたが、昨年の夏は1週間、長い時は2週間も留守にしていたので、その間温度も湿度も高い状態が保たれ、悲しい事にカビにとって快適な環境を提供していまっていたのです。
その結果、当然と言えば当然ですが、気が付いた夏の終り頃には事務所内のあちこちにカビが繁殖していました。
会社に置いてあった革製の名刺入れや椅子のクッションや雑巾などの布製品等、特に人の皮脂が付きやすく繊維状のものや、プラスチックの表面などにカビが付着していました。
カビ発生後の対処と予防
付着してしまったカビは、アルコール除菌剤で拭いて除去したりしましたが、繊維に入り込んで変色しているものは漂白剤を使用したり、それでもダメなものは廃棄処分しました。
また、空気中のカビ菌を除菌する為に、クレベリンを使いました。クレベリンは次亜塩素酸を改良した二酸化塩素が成分で、病院などでも使われている空間除菌の商品です。効果には賛否があり、気休めでしかないかもしれませんが、何もしないよりはマシだと思いました。
しかしその対策をしたのももう夏の終わり頃であり、気温も下がっていたので、そもそもそれ以上のカビ被害はありませんでした。
ただ、翌年(つまり今年)以降は同じ事を繰り返さないように対策をちゃんと考え、夏が来る前、梅雨の時期が来る前に準備しておかなければいけないと痛感しました。
大幸薬品 クレベリン ゲル 置き型 150g | ||||
|
エアコンとスマートリモコンの組み合わせを検討
カビの発生要因は、その餌となる栄養分、それに酸素、水分、そして温度(20度~)と言われていますが、そのうち酸素はどうにもなりません。餌となる栄養分に関しては、より清潔を保つ事である程度防げますが、それでも人が使用している限り全てを断つということは不可能です。
であれば、あとは温度と湿度をコントロールするしかありませんでした。
留守中ずっとエアコンをかけっ放しにすれば一見問題は解決しそうですが、それでは電気代がかかりすぎてしまいますし、効率が悪すぎます。
一昨年までは毎日事務所を使用していたとは言え、長くても1日8時間、週に5日で、エアコンの使用もその範囲内でカビとは無縁でした。それを考えたら、その程度の使用で十分という事になります。
そこで家電を操作することが可能なスマートリモコンを使って事務所以外の場所、例えば自宅や外から事務所のエアコンをコントロールすることを検討してみました。
事務所は通常のオフィス利用の部屋と会議や応接で使用する部屋の2か所にエアコンがあり、スマートリモコンは赤外線が届く範囲に設置する必要があるため、それぞれの部屋にスマートリモコンを用意する必要がありました。
私は、事務所のカビ問題は、留守中にスマートリモコンで温度・湿度管理をすることで解決できると思い、いろいろと調べてみました。
そして調べているうちに、私の事務所の状況では、スマートリモコンは使えないかもしれないという事に気付きました。正確には、今は使えるが、そのうち使えなくなるかもしれないという事です。
スマートリモコンはWi-Fi接続が必要であり、事務所には現時点ではWi-Fi環境があるのですが、実はいつ繋がらなくなってもおかしくない状況にあるのです。
と言うのも、今年の2月に事務所でそれまで使用していたネットの固定回線(So-netのフレッツ光)を解約していたのです。理由は週に1回程度しか事務所を使用しなくなったからであり、事務所に来るときは自宅から持ってきたモバイル回線を使う事にしたのです。
ただ、どういうわけか解約したのにいまだにSo-netの回線が使えるので、今のままならスマートリモコンも使えるのですが、それもいつまで続くかわからず、ネットが通じなくなった時点でWi-Fiでのスマートリモコン利用もできなくなるというわけです。
ネットが通じている間だけスマートリモコンを使い続けるという方法ももちろんありですが、通じなくなった時にまた別の方法を考えなければならないのも面倒であり、かと言ってその為だけにプロバイダー契約をし直すのもバカバカしいので、スマートリモコン+エアコンとは別の方法も探してみる事にしました。
除湿機を検討してみる
除湿機は当初から頭にはありましたが、妻に相談したところスマートリモコンを勧められたので、先にスマートリモコンを検討していました。
確かにスマートリモコンは除湿機に比べ、場所をとらずコストもかからないというメリットがありますが、Wi-Fiなどの条件が整っていなければならず、また私のような状況だとON/OFFに関しても毎日気をつけなければならず面倒であるというデメリットがあるということがわかりました。
そこでもう一つの選択肢である除湿機で私の状況に合うのはどういう物であるかを検討してみる事にしました。
そしていろいろと調べてみると、以下の条件を満たす除湿機が必要だとわかりました。
除湿方式はコンプレッサー方式である事
他の除湿方式のうち、デシカント(ゼオライト)方式やハイブリッド方式はヒーター熱を利用するため冬場にも強いが、消費電力が大きく、安全の為長時間の連続運転ができないようになっているので対象外としました。私の場合使用するのは夏の湿気が多い時だけで、その期間は長時間運転を必要とする為です。
他にペルチェ方式というのがありますが、この方式の機種は消費電力が少なく静音でコンパクトが特徴なのはいいのですが、圧倒的に除湿能力が低いのでこれも対象外にしました。私の事務所の周りは大小の川がありそもそも湿度が高めなので、除湿能力が低いと役に立ちません。
連続排水・連続運転ができる事
これは私にとって重要でした。週に1回程度しか事務所に行かないので、ダンクがすぐにいっぱいになって停止してしまうと残りの日数の除湿ができない事になります。なので容量に限界があるタンクが大きい事よりも直接外に排水できるタイプ(連続排水)の方が安心です。
ただ、いくら連続排水ができても、除湿機が一定時間で自動停止してしまっては、やはり残りの日数の除湿ができないことになり、意味がありません。ほとんどの除湿機は最大12時間ないしは24時間で自動停止する機能がついていますので、それを解除できる機能があることが必要です。
除湿能力が高く価格が高くない事
除湿能力が高いものに限れば、業務用で高性能のものもありますが、それらは価格も高く手が出ませんし、そこまでの能力は必要ありません。事務所の広さに合ったもので価格も手の届く範囲である事が重要です。
シャープの除湿機を選択
上記の条件に合う除湿機は、三菱や日立、シャープや山善などのメーカーが出していました(他にもあるかもしれませんが)。
私はその中から、シャープの「プラズマクラスタ− 衣類乾燥除湿機 CV-L71-W」という機種を買いました。理由は同程度の機能の他機種より安かったからです。発売も2020年4月で、新製品ではなかったことも安くなっていた要因かもしれません。
シャープ プラズマクラスタ? 衣類乾燥除湿機 CV-L71-W | ||||
|
ちなみにこの機種にはプラズマクラスターにより衣類や部屋の除菌・消臭ができる機能がありますが、それは私にとってはあってもなくてもいい機能です。
さて購入した除湿機ですが、届いてからすぐに使用してみました。
しばらく雨が続いていたこともあって部屋の湿度は82%ありました(湿度計もついでに購入しました)。事務所は鉄筋コンクリート造りで室内の広さは約15畳程度。除湿・自動モードで運転してみました。
するど喜ばしいことにみるみる湿度が下がっていき、約2時間後には室内の湿度は60%になっていました。何と20%以上も下がったのです。
改めて除湿機の効果を実感しました。ちなみにタンクには300ml程度の水がたまっていました。
あとは留守中に連続排水・連続運転が機能するかどうかです。
除湿機の排水については、事務所内のミニキッチンのシンクに流すことにしました。シンクの脇のコンロの上に板を置いてその上に除湿機を乗せ、背面につないだホースをシンクの中においたバケツの中に入れました。そのまま流すのではなく、バケツを置いてどのくらい溜まるかを確認したかったからです。ちなみにバケツの容量は15Lです。
その後運転モードを除湿・自動にし、自動停止機能を解除し、結果を期待して帰宅しました。
そして6日後、事務所に来てどうなっているか確認しました。
すると除湿機はまだ動いていました。つまり自動停止機能はちゃんと解除されていたという事です。そしてシンクの中のバケツには水がいっぱいに溜まり、溢れていました。すごい効果です。たった6日で少なくとも15L以上の水分が除湿されていたのです。
昨年は留守中に数か月もの間、何もしなかった事を考えると恐ろしくなってきました。カビが大繁殖してしまうのも当然の事です。これだけの水が数か月間除湿もされずに増え続けていたのですから。
ちなみに室内の温度は高めだったのですが、湿度は42%に保たれていましたので、十分なカビ対策にはなっていると思います。念のためというか気休めというか、クレベリンも併用していますが。
そして今後は留守中は除湿機を連続運転させて湿度が高くならないように保ち、事務所に来てそこで仕事をしている最中はエアコンを使うので、除湿機の方は運転を止めて数時間休ませることにしました。いくら連続運転に耐えられる構造になっているとはいえ、たまには休ませないと故障が早まるかもしれないので。