ノミバエの特徴
ノミバエは他のコバエに比べて小さく、飛び回る速度も速く、おまけに食卓を走り回ったりして生活をする上で非常に不快です。ノミバエ対策をする前に、まずは特徴を知っておきましょう。
繁殖期 |
- 3月下旬頃から発生し、10月下旬までが繁殖期。
- 6月から8月にかけて、条件がそろえば大繁殖する。
- 適温は20℃~29℃とされており、再適温は25℃。
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体の特徴 |
- 体の色は黒褐色の種類と黄褐色の種類が代表的。
- 体長は0.5~3mm程度と小さい。
- 体型は、背中がノミのように丸みをおびており、後脚が長い。
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成長のサイクル |
- 卵から成虫までは約2週間(卵→幼虫:1~2日、幼虫→蛹:約3日、蛹→成虫:約10日)。
- 成虫になると3日で産卵が可能になる。
- 産卵は1回に30~10個ほどで、繰り返し産卵する。
- 成虫の寿命は約10日ほど。
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行動・習性 |
- 素早く飛び回る(小さいので近くを飛んでないと見えない)。
- キッチン回りや食卓の上、壁などを素早く走り回る。
- 集光性がある為、明るい場所や光源に集まる。
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食性・発生源 |
- 腐食した有機物(特に肉や野菜、植物)やコーヒー(ノミバエが好むフェロモンに香りが似ている為)、動物の糞、昆虫の死骸等を好む
- キッチンまわり、便所、およびそれらの排水口、ゴミ箱(特に生ゴミの)、食物の食べこぼしがある場所等に集まり、発生源となる。
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ノミバエの駆除方法
発生してしまったコバエは、駆除しなければいなくなってくれません。また、次なる発生源ともなり得ますので、しっかり駆除しておきましょう。
ただ、ノミバエは他の代表的なコバエであるショウジョウバエやチョウバエとは習性や好み、殺虫剤に対する耐性が違う為、合わない駆除法を実施してもまったく効果が見られなかったりするので注意が必要です。
殺虫剤 |
ハエ・蚊・ゴキブリ用の市販の殺虫剤
- 近くを飛んでいるノミバエや止まっているもの、歩き回っているものには、直接噴射による効果がみられるが、人体への影響は少ないとはいえ少なからず害がある化学成分(ピレスロイド系)を含むため、一番発生しやすいキッチンまわりでは使いづらい。
- 部屋に広範囲に撒くことで一網打尽にしようとしても、あまり効果は見られない上、頻繁に行うと人に対しても害をもたらす可能性がある。
- 卵や幼虫、蛹には耐性がある為か、効果がほとんどない。
- ノミバエは一般的な殺虫剤に対し、比較的耐性がある為、効果は限定的。
天然由来成分のコバエ用殺虫剤・忌避剤
- 止まっていたり、歩き回っているノミバエに直接噴射することで、すばしっこいノミバエの動きを瞬時に止める効果があるが、すぐに死ぬわけではないので、すぐにティッシュ等で捕まえて捨てることが重要。
- 天然由来成分の為、キッチンまわりでも使用できる。
- 飛んでいるノミバエには効果がない。
- 寄せつけたくない場所に忌避剤として撒いておいても、あまり効果は見られない。
- コバエ用殺虫剤・忌避剤とはいえ、ノミバエに対しては効果は限定的。
コバエがいなくなるスプレー
- ワンプッシュで部屋のすみずみまで効くとうたっているが、成分はピレスロイド系であり、比較的耐性のあるノミバエに対してはほとんど効かない。
コバエ用ムース
- 成虫に対してはムースを直接噴きかけて、動きを止め、窒息死させて駆除するタイプであるが、ノミバエには含まれている殺虫成分(ピレスロイド系)は効かないので、動きを止めたらティッシュ等でふき取って駆除できる。
- 排水口など、通常の殺虫剤が届きにくい発生源に注入して充満させることで、含まれている幼虫等を脱皮させない成分(IGR剤)が幼虫等を駆除することができる。
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香りで誘引する捕獲器 |
市販の誘引剤入り捕獲器
- フルーツ系の香りや、酢、アルコール系の香り等で誘引し、ゼリーや保湿マット等で捕獲するタイプが多い。
- 殺虫成分はネオニコチノイド系が使用されている場合が多い。
- ゼリーや保湿マットは乾燥すると全く捕獲できなくなるため、乾いたら交換が必要。
- 使用される香りはショウジョウバエには非常に有効だが、ノミバエの好みの香りでない為かほとんど誘引されないため、効果がない。
自作できるコバエ用トラップ
- コバエに効くと評判のめんつゆトラップは、ショウジョウバエには有効だが、ノミバエはほとんど誘引されず、効果はない。
- ワインや料理酒等のアルコール飲料を利用したトラップも同様にノミバエにはほとんど効果なし。
- オレンジジュースやリンゴジュースなどのフルーツ系や、黒酢・リンゴ酢等の酸味系の香りもノミバエの好みでない為かほとんど効果がない。
- コーヒーの香りは、ノミバエが好むフェロモンの香りに似ているため、非常に誘引されやすく、コーヒートラップは効果あり。
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粘着性トラップ |
- ハエとり棒、ハエとりリボン、ハエとりマット等、粘着物質に止まったハエを捕獲するタイプで、非常に効果あり。
- 誘引性のある色や香りをつけているものもあるが、ほとんどはショウジョウバエ等には有効でもノミバエは誘引されない為、ノミバエが集まりそうな場所に置く事が重要。
- デメリットとしては、強い粘着性があるので、手や物が触れた場合にはがすのが大変なので注意する必要がある。また、捕獲されたハエが多くなると見た目が良くない。
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電撃殺虫器 |
- 紫外線ランプで昆虫の集光性を利用して誘引し、高電圧で殺虫する電撃殺虫器は非常に効果がある。
- 紫外線ランプは通常の照明ランプに比べて寿命が短く、使用時間や使用頻度にもよるが、1日10時間×4ヶ月(6月下旬~10月上旬)の使用で約2年くらいで交換が必要。(紫外線は人の目には見えないので、見た目では青色ランプが点灯していても寿命となったランプは紫外線を発していない為、誘引効果は著しく劣る)
- ノミバエが発生する季節が終わったら、捕獲された虫をきれいに掃除しておく。
- 紫外線を発しないような粗悪品もあり、見た目では区別がつかないので、できるだけ信用できるメーカーのものを利用する。
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その他 |
- ノミバエの卵や幼虫、さなぎは殺虫剤等では死滅しにくいので、完全に駆除するには熱湯をかけるのが一番効果的。
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ノミバエ発生の予防策
ノミバエに対し効果的な駆除方法をいくら懸命に行ったとしても、発生源をなんとかしなければ次から次へとノミバエが発生し、いたちごっこになってしまいます。
発生源を徹底的にきれいにすることが最良の予防策です。
キッチンまわり |
最大の発生源であるキッチンまわり、特に生ゴミ処理をきちんとすれば劇的に発生を抑えることができますので、手を抜かずきちんと行いましょう。
- 使い終わったシンクはきれいにしておき、臭いが発生しないようにしておく。
- 生ゴミの袋は必ず閉じる。
- 生ゴミを入れるゴミ箱は密閉性の高い蓋付きのものを使用し、きちんと閉めておく。(蓋付きであっても、密閉性の低いゴミ箱は臭いも漏れやすく、わずかな隙間からノミバエが侵入し、卵を産み付けて発生源となってしまう)
- 収集日には必ず生ゴミを出すようにする。
- 排水口は定期的に洗浄剤等で清掃しておく(排水口は汚れを流し、汚れが溜まりやすい場所であり、数日水を流さないでいるとノミバエが侵入し、卵を産み付けて発生源になってしまう可能性もある)
- キッチンやダイニングの他、食べ物を置く場所や食べる場所の食べこぼしや食べ残しを放置せず、仕舞ったり掃除したりしておく。
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その他 |
- 風呂・トイレなどの水回りもきれいにしておく(風呂やトイレ等はよほど汚くない限りノミバエの発生源にはなりにくいが、チョウバエの発生源となりやすく、チョウバエの死骸等がノミバエの新たな発生源となり得る)
- 有機物があればどこでも発生する可能性があるので、カーペットや畳、布団等もきれいにしておいた方が良い。
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